漫画のサブスクがない理由は?人気作が読み放題にならない5つの事情
読み放題サービスに登録したのに、読みたかった漫画が1冊も入っていなかった。
私も同じ経験をしました。動画配信サービスの感覚で「月額を払えば漫画も読み放題になる」と思っていたので、対象作品を検索したときは正直がっかりしました。
なぜ映画やドラマは見放題なのに、漫画だけは同じようにいかないのか。
調べていくと、単なる企業努力の不足ではなく、漫画という商品そのものの構造に理由があることが分かってきました。
その理由と、今の環境で損をしない読み方をまとめます。
Contents
漫画のサブスクは「ない」のではなく「人気作が対象外」なだけ
まず前提を整理させてください。
定額で漫画が読めるサービス自体は、いくつも存在します。Kindle Unlimited、コミックシーモア読み放題、BOOK☆WALKERの読み放題などがそれにあたります。
問題はラインナップです。
ワンピース、鬼滅の刃、呪術廻戦といった誰もが名前を知っている作品を検索すると、対象外か、良くて1〜3巻までしか入っていません。
面白くなってきたところで「ここから先は購入」と表示される。この体験が「漫画のサブスクなんて存在しない」という感覚を作っています。
漫画のサブスクは存在しないのではなく、読みたい作品が対象に入っていないだけなんですよね。
では、なぜ人気作は対象に入らないのでしょうか。
漫画に全巻読み放題のサブスクがない5つの理由
理由1. 漫画は1冊20〜30分で読み終わってしまうから
映画は1本見るのに2時間かかります。ドラマ1クールなら10時間近く必要です。
一方で漫画は、単行本1冊を20〜30分ほどで読み終えてしまいます。
同じ月額1,000円でも、映画なら月に10本見れば元が取れると感じますが、漫画だと1日で数冊読めてしまう。
配信する側から見ると、月額料金に対して消費される量が桁違いに多くなります。人気作を無制限に入れると採算が合わなくなるようです。
理由2. 単行本の売上が作者と出版社の生命線だから
漫画家さんの収入は、単行本の印税が大きな比重を占めています。
読み放題サービスの分配は、読まれた分に応じて支払われる仕組みが一般的です。1冊あたりの単価は、単行本を1冊買ってもらう場合と比べてかなり小さくなります。
売れている作品ほど、読み放題に出すと単行本の売上を自分で削ることになってしまう。
だから売れている作品ほど読み放題には出てこないという、読者にとっては皮肉な状況が生まれています。
新刊や話題作が対象外になりやすいのも、ここが理由のようです。
理由3. 権利を持っている人がバラバラだから
音楽や映像の配信は、レーベルや配給会社が権利をある程度まとめて管理しています。だから交渉相手が絞られ、大量の作品を一度に配信できます。
漫画は違います。
出版社、漫画家、原作者、場合によっては原案の権利者まで関係してきます。しかも出版社は集英社、講談社、小学館、KADOKAWAとそれぞれ独立した会社です。
1つのサービスが全部の許諾を取ってくるのは、現実的にかなり難しいと考えられます。
理由4. 出版社が自分でアプリやストアを持っているから
少年ジャンプ+、マガポケ、サンデーうぇぶり。
出版社は自社でアプリを運営していて、そこで読者を集めて収益を上げています。
自社アプリに来てもらえば売上が丸ごと自分たちのものになるのに、他社の読み放題サービスに主力作品を出す理由がありません。
人気作が読み放題に出てこないのは、技術やコストの問題ではなく、出版社にとって出す理由がないからだと考えられます。
ただし、この理由には裏返しがあります。後ほど触れます。
理由5. 「待てば無料」の方が収益が上がってしまったから
ピッコマやLINEマンガが広めた「23時間待てば次の1話が無料」という仕組み。
読者は無料で読み進められますが、続きが気になった人がチケットを買います。広告収入も入ります。
このモデルが日本の漫画市場で非常にうまく機能してしまいました。
出版社から見れば、定額読み放題に作品を出すより、話単位の課金モデルに乗せた方が収益が大きくなる。
読み放題という選択肢を選ぶ動機が、そもそも薄いという状態が続いているようです。
つまり、漫画の読み放題が成立する条件は3つだけ
ここまでの理由を裏返すと、読み放題が機能する条件が見えてきます。
①出版社が自分で運営している
②ジャンルを絞っている
③読み放題ではなくポイント付与で最新刊を買う
この3つのどれかに当てはまるサービスなら、「登録したのに読むものがない」という状態を避けられます。
順番に見ていきます。
条件①出版社が自分で運営している「BOOK☆WALKER」
BOOK☆WALKERは、KADOKAWAが直営で運営している電子書籍ストアです。
KADOKAWA作品はもちろん、講談社や集英社、小学館などの作品も扱う総合ストアで、その中に読み放題プランが用意されています。
理由4で書いた「出版社は自社のストアで売りたい」という構造を思い出してください。
BOOK☆WALKERは出版社そのものが運営しているので、自社作品を他社に取られる心配がありません。だから読み放題に出しやすい。
出版社直営だからこそ成立している読み放題という位置づけです。
マンガ雑誌が読み放題に入っている
BOOK☆WALKERの読み放題で特徴的なのが、単行本だけでなくマンガ雑誌が対象に入っている点です。
サービス開始時の発表では、マンガ雑誌が約60誌対象とされていました。
単行本を無制限に出すのは採算が合いませんが、雑誌なら発売から一定期間で役目を終えるので、読み放題との相性がいいのだと思われます。
連載を追いかけたい人にとっては、単行本を待つより早く読めることになります。
料金は2コース
読み放題 マンガコース:月額836円(税込)
読み放題 MAXコース:月額1,100円(税込)
※Google Play決済・Apple ID決済の場合、マンガコースは月額840円(税込)
マンガコースはマンガと雑誌が対象、MAXコースはそこにラノベや文庫が加わります。
Webブラウザから申し込む方が数円安くなるので、こだわる方はブラウザ経由がおすすめです。
クレジットカード決済、Google Play決済、Apple ID決済の場合、各コースを初めて利用する方は初回14日間が無料になります。
先に注意点を書いておきます
雑誌は、加入した時点の最新号から読める仕組みです。加入前に配信されたバックナンバーは読めません。
「先月号を読みたかった」というつもりで登録すると期待とずれるので、ここは知っておいてください。
また、対象作品は入れ替わることがあります。読みたい作品がある場合は、登録前に公式サイトの対象作品一覧で確認しておくと安心です。
登録は数分で完了、無料期間中の解約なら料金は掛かりません。
条件②ジャンルを絞れば読み放題は機能する
理由1で書いた「漫画は消費が速すぎて採算が合わない」という問題。
これはジャンルを絞ることでも解決できます。
対象を限定すれば、そのジャンルの中では対象作品が濃くなり、読者の満足度も上がるためです。
FANZAブックス読み放題
大人向け作品に特化した読み放題サービスです。
一般向けの読み放題では対象にならないジャンルが、まとめて読み放題になります。ジャンルを絞った読み放題が機能している分かりやすい例だと思います。
月額料金や対象作品数、実際に使ってみた感想は別記事にまとめています。
初めて使う方は、運営元や安全性が気になると思います。そのあたりも別記事で解説しています。
初回14日間は無料、解約もすぐ出来るので安心です。
【体験談】私が使い続けているのは、このジャンル特化タイプでした
いくつか読み放題を試してみて、今も私が使っているのはジャンルを絞ったタイプです。
総合型のサービスだと、読みたい作品を検索するたびに「これも対象外か」と手が止まってしまいました。探す時間の方が長くなって、だんだんアプリを開かなくなってしまうんですよね。
ジャンルが絞られているサービスは、そもそも母数が違います。3万冊以上が対象で、100以上のジャンルから絞り込めるので、探すというより選ぶ感覚に近いです。
好きな作家名で絞り込めるのも、私にはありがたい機能でした。
正直に書くと、良かった点だけではありません。
専用アプリがないため作品のダウンロードができず、ブラウザで読む形になります。外出先で読むならWi-Fi環境がある場所の方が安心です。
雑誌も最新号ではなく少し前の号が中心なので、発売日に最新号を読みたい人には向いていません。
「古い絵柄の作品ばかり」という声も見かけますが、私が使った限りでは言われるほどではありませんでした。母数が多いぶん、古い作品も目に入りやすいだけだと思います。
元が取れるかどうかで言うと、この手の単行本は1冊500円ほどするので、月に3冊読めば計算は合います。1日あたり50円ほどですね。
読み放題という仕組み自体が悪いのではなく、ジャンルを絞れば十分に機能するというのが、使ってみた実感でした。
登録も3分ほどで終わりました。無料お試し期間中に解約すればその時点で読めなくなるので、試すだけなら期限だけ気をつけておけば大丈夫です。
Kindle Unlimited
Amazonが提供する読み放題サービスで、月額980円(税込)です。初回は30日間の無料体験が用意されています。
漫画専門ではなく、小説、ビジネス書、実用書、雑誌まで幅広く対象になっています。
漫画だけを目当てにすると物足りなく感じるかもしれませんが、本全般を読む方には向いています。
初回30日間は無料でお試し出来ます。
条件③U-NEXTは「マンガ読み放題」ではありません。それでも使える理由
先に正直に書きます。
U-NEXTのマンガは読み放題ではありません。
U-NEXTは動画配信サービスで、マンガはポイントまたは都度購入で読む仕組みです。読み放題の対象になっているのは雑誌とキッズ向け作品になります。
「4巻まで無料」といった表示を見かけますが、これは無料マンガ枠や期間限定キャンペーンによるもので、読み放題とは別の仕組みです。
ここを勘違いして登録すると、まさにこの記事の冒頭で書いた「読むものがない」状態になってしまいます。
では、なぜ紹介するのか。
最新刊を読みたいなら、むしろこちらが合理的
理由2で書いた通り、人気作の最新刊が読み放題に入ることは期待できません。
だとすれば、読み放題を探し続けるより「最新刊を安く買う」方向に切り替えた方が早いという考え方ができます。
U-NEXTは月額プランに毎月1,200ポイントが付与され、このポイントで最新刊を購入できます。単行本なら3〜4冊分に相当します。
読み放題ではありませんが、月額の中に本を買う予算が含まれている形です。
毎日無料で読める仕組みもあります
U-NEXTには「毎日無料」という枠があり、6時と18時に6話分ずつ読む権利が回復します。1日で最大12話です。
理由5で書いた「待てば無料」と同じ遊び方が、動画とセットでできることになります。
さらに雑誌は読み放題対象なので、雑誌目的なら定額の恩恵をそのまま受けられます。
初回31日間は無料、解約もすぐ出来るので安心です。
最新話だけ追いたいなら、そもそもサブスクはいりません
ここまで読んで「特定の1作品の最新話だけ読めればいい」と思った方もいるかもしれません。
その場合、定額サービスに登録する必要はありません。
ピッコマ、LINEマンガ、マンガワンといったアプリなら、待つ手間はかかりますが無料で読み進められます。
月額を払っても読める作品が限られるなら、無料アプリで待つ方が納得感がある。この判断は十分に合理的だと思います。
結局どれを選べばいいのか
タイプ別に整理しました。
幅広く漫画を読みたい・雑誌も読みたい → BOOK☆WALKER
大人向けジャンルを読みたい → FANZAブックス読み放題
漫画以外の本も読みたい → Kindle Unlimited
最新刊を買いたい・動画も見たい → U-NEXT
特定の1作品だけ追いたい → 無料アプリで十分
迷ったら、まずBOOK☆WALKERの14日間無料で試すのが分かりやすいと思います。
対象作品が自分の好みに合うかどうかは、実際に開いてみないと分からない部分が大きいためです。
漫画サブスクの口コミ・評判

性別・年齢問わず、クラウドソーシングで感想を募集してみました。
男性
アニメを見て原作が気になり読み放題に入りましたが、その作品は3巻までしか対象になっていませんでした。結局続きは買うことになったので、思っていたのとは違いましたね。
女性
雑誌が読めるのが想像以上に良かったです。単行本を待たずに済むので、続きが気になる作品があるときは重宝しています。
男性
最初は微妙だと思ったのですが、知らない作品を適当に開けるのが楽しくて続けています。目的の作品を読むサービスというより、本屋で立ち読みする感覚に近いです。
女性
月額分を読めているか毎月気になってしまって、それがストレスでした。読む冊数が少ない月は損した気分になるので、私には向いていなかったかもしれません。
男性
無料期間で試してから決められたのが良かったです。合わなければやめればいいので、登録のハードルは低かったと思います。
女性
読んでいた作品が途中で対象から外れたときはさすがに残念でした。ずっと読めるわけではないと分かっていても、実際に起きるとがっかりします。
男性
40代ですが、昔読んでいた作品を読み返せるのがありがたいです。全部買い直すと結構な金額になるので、この使い方なら十分もとが取れています。
漫画サブスクに関するよくある質問
今後、人気作も読み放題になる可能性はありますか?
現時点では期待しにくいと思われます。単行本の売上が作者と出版社の収入を支えている構造は当面変わらないためです。ただし期間限定で人気作が追加されるキャンペーンは各サービスで実施されているので、そのタイミングを狙う方法はあります。
ジャンプの漫画は読み放題で読めますか?
主要作品は読み放題の対象外になっていることがほとんどです。集英社は少年ジャンプ+という自社アプリを持っているため、そちらで読む形が基本になります。
無料お試し期間だけで解約しても大丈夫ですか?
問題ありません。BOOK☆WALKERの読み放題なら初回14日間、Kindle Unlimitedなら初回30日間が無料で、期間内に解約すれば料金は発生しません。自動更新のタイミングだけ確認しておいてください。
解約したら読んだ本はどうなりますか?
読み放題で読んでいた作品は読めなくなります。購入した本は解約後も読めますが、読み放題の対象作品は借りている状態に近いと考えておくと分かりやすいです。
クレジットカードがなくても登録できますか?
サービスによって対応状況が異なります。デビットカードやコンビニ決済に対応しているサービスもあるので、支払い方法から選ぶのも一つの方法です。FANZAブックス読み放題のデビットカード対応については別記事でまとめています。
まとめ

漫画に全巻読み放題のサブスクがない理由を整理します。
①漫画は消費が速く、定額では採算が合いにくい
②単行本の売上が作者と出版社の収入を支えている
③権利者が分散していて許諾をまとめられない
④出版社が自社でアプリやストアを運営している
⑤「待てば無料」の方が収益が大きくなった
読みたい作品が対象外なのは、サービスの怠慢ではなく漫画という商品の構造によるものでした。
だからこそ、読み放題を探し続けるより「どの条件なら成立しているか」で選ぶ方が近道になります。
出版社直営で雑誌まで読めるBOOK☆WALKERは、その条件を満たしている数少ないサービスの一つです。
合うかどうかは、対象作品を実際に見てみるのが一番早いと思います。
登録は数分で完了、無料期間中の解約なら料金は掛かりません。